はじめに
先日、仕事で「空調ウェア」の取説的動画を作りました。私は空調ウェアメーカーで勤務しているわけではないですが、商社として空調ウェアを仕入れし、顧客に販売することもあります。
空調ウェアは、ウェア、ファン、バッテリーで構成されますが、ウェアへのファンの取り付け方、ファンとバッテリーのケーブル接続方法など、実は面倒で、分かりづらい部分も多いです。
これらの面倒臭さが、空調ウェアの使用のハードルになる場合もあります。現場作業の人など、「どうしても空調ウェアが必要」という方は、面倒でも使いますので良いです。しかし、一般の人など「あるといいな」という人にとっては異なります。「分かりづらさ」や「使いづらさ」があると、ならまあ買わなくてもいいかな、となったり、買ったとしても、「使うのは面倒だから使わなくていいや」となってしまいます。
そういった意味で、私の顧客に対して、それらのハードルを下げたいと考えました。で、セッティングから使うまでの流れを一連の動画にすることにしました。
私は個人でも空調ウェアは持っていて、使っています。ですのでセッティングについて離れています。
が、今回の動画を作ってわかったことがあります。それは、自社で仕入れをする空調ウェアと、私が持っている空調ウェアでは、ウェアへのファンの取り付け方が違ったということです。
なので、最初、取説を読まずにファンをウェアに取り付けようと思ったら、できませんでした。
空調ウェアはどれも一緒、と思っていましたが、実は違っていたのです。
この思い込みと、陥りがちなミス、私だけではなく、多くの人にも該当してきそうです。
ただここで一つ問題があります。
そもそも、空調ウェアの取説、めちゃくちゃ分かりづらかったのです。
簡単なようで難しい、ファンの取り付け方
実際の商品の写真や取説を掲載すると問題がありますので、言葉だけで書きます。(分かりづらいかもしれません)
空調ウェアにはファンがついています。このファンは、ウェアにある穴にはめて使います。
つまり、ウェアにそもそもくっついているわけではなく、自分でファンを取り付ける必要があります。
で、取り付けるといっても、ボタンや何かでつけるわけではなく、ファン本体と、ファンカバーで、ウェアの布地を挟み込み固定する、だけなのです。
このような商品って、空調ウェア意外はあまりないので、まず「初めて空調ウェアを使う人」にとって、ここが最初のハードルになります。
ファンは「ファン本体」と「カバー」に分けることができます。大体の商品は、溝にはめて合体しているだけですので、クルクル回せばとることができます。
ただ、商品によって、ウェアの穴に、「最初カバーを差し込み、あとでファン本体を組み合わせる」場合と、「最初ファン本体を差し込み、あとでカバーを組み合わせる」パターンがあるように思います。
私が仕事で仕入れたもの(今回動画を作ったもの)は前者で、私が個人で持っているものは後者だったのです。
ここが個人的には混乱のもとでした。
このように「自分が持っている思い込み」があると、余計に、「え、このファンってどうやって取り付ければいいの」と混乱してしまいます。
このあたり、空調ウェアはいろいろなメーカーがだしているが故の問題であると感じます。
単純な構造であるのに、ちょっとやり方が違う、これが「難しい」と感じてしまうポイントです。
取説どおりに取り付けできないときはどうすればいいの?
ファンをウェアに取り付けたあと、今度はケーブルをファンとバッテリーに接続させます。で、スイッチをつければファンが周り、外部の空気をウェア内に取り込み始めてくれます。
こんな単純な話なのですが、取説に書いてあるイラストと、自分が取り付けた見た目が異なる場合が出てきてしまいます。
それは、ファンにケーブルを差し込む「ケーブル差し口」の位置は、ファンのどちら側にすればいいのか、という問題です。
おおよその商品では、ウェアの内ポケットにバッテリーを入れて使います。そのバッテリーにケーブルを差して使うので、ファンの「ケーブル差し口」は、バッテリーに近い方に向けたいですよね。
取説でもそのように「仕上がりイメージ」を掲載している場合が多いです。
ただ、その様にならないこと、結構あります。
ファン本体とカバーを固定する際、くるくる回してはめこんでいきますが、そのはめこみ具合によっては、ケーブル差し口の位置が、バッテリーを入れる内ポケットの方法と逆になってしまったり、するんですよね。
こんなとき、「空調ウェア」を初めて使う人は悩むはずです。取説と違う形になってしまったけど、いいのだろうか、と。
この悩みが、「うーん、空調ウェア面倒臭いな」の元になるんですよね。
では、なんでこんなことになるのでしょう。僕は考えました。
ファンのケーブル差し口の位置の意味が取説に書かれていないから
私が読んだこの商品の取説には、「取り付け後のイメージ」として、イラストが書かれています。
そこでは、ファンのケーブル差し口の位置が、バッテリーを入れている内ポケット側、として掲載されています。
(イラストはウェアを内側から見る視点で書かれていて、バッテリーを入れる内ポケットは右側に位置しています。そしてファンは、ウェアの下側両サイドに取り付けるため、二つあります。結果、ファン二つとも、ケーブル差し口は右側を向いている、その様なイラストです)
が、その理由は書かれていません。
ここが問題なのです。
「ファンのケーブル差し口は、バッテリーがある方向に向けてください(もしくは向けた方が、ケーブルをバッテリーに差し込みやすいです)」
などと書いてあれば、ユーザーは「そういうことか」と腑に落ちます。また、「でも、ファンを取り付けたら、その様な位置にならなかったけど、まあ、バッテリーにケーブルは届いたから問題ないかな」と思うことができるはずです。
でも、こんなことは、取説制作者はわかっているのではないか、と思います。
なのになぜこういうことが起きるかというと、結局は「紙サイズ」つまり、取説の内容を掲載するスペースの問題なのだろう、と思います。
上記の様な文章を書くスペースがないから、書かないのでしょう。
ユーザーの頭に❓マークを浮かばせてはいけない
それでも、ここはもっとユーザー視点になるべきでしょう。
取説において、すべての行為の「理由」を書いていくことは無理です。
きっと「理由」が書かれている部分は、「重大な危険を及ぼす行為について」くらいではないでしょうか。
それは、取説が、「ユーザーに使用方法を丁寧に教えるもの」というよりも、「危険な行為をさせないため」のものになってしまっているからです。
実際は両方が大切なはずです。
時間をかけて調べることは、もはや時代にあっていません。素早く理解できるものでなければ、ユーザーは離れていきます。
であれば、ユーザーが少しでも「??』と感じてしまう要素は極力なくして行った方が良いでしょう。
その辺りにもう少し注目して、取説を作っていただければと思います。
最後に
とはいっても、この空調服の説明動画をユーザー視点で作ったら、5分近い長さになってしまいました。5分の動画、みてくれるのかなあという不安があります。
あとは、私なりにセッティング方法を考えて作った動画なので、取説での説明内容との差が出てきてしまっていて、これでいいのかな、と不安を持っています。「基本は取説の使い方とおりでお願いします」とはエクスキューズを入れておきましたが・・・。
取説を見るだけで使うことができるのが一番いいんですけどね・・。ただ、私は空調ウェアの取説を見るだけでは使えなかったので・・。
分かりやすく伝えていくこと、難しいですよね。取説製作者の皆様には、リスペクトの念がございます。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

